小難しい礼儀の話

今日ふと思った礼儀のこと。

礼儀は礼法・所作の形を繰り返すことで身につく心身の在り方です。

例えば挨拶で言うと、頭を下げる、こんにちはと声を発するのは礼法の形、相手に意識を向け声を届けてその存在を認め合うのが礼儀です。

これを頭で理解しただけで実践したところで、その上っ面具合が相手に見えてしまいかえって失礼になったりもします。

じゃあどうするのかといったら、普段から形を積み重ねて、礼儀が自分の身になるまで繰り返すことです。

身につかないうちはただただ堅苦しいだけですが、身について自然なものになっていれば、その在り方に美しさが生まれ、それは品と呼ばれます。

自分の出し方、引き方、相手との関わり方、そういったところのその人の持つ基準が品とも言えます。

こんな話は分かる人には野暮ったい話、分からない人には理解できない世界の話かもしれません。

最後に私の祖母から聞いた話を。

祖母が若い時に行儀見習いとして奉公にいった先はその町1番の大地主の家。

朝、祖母が奉公仲間と掃除していると向こうに旦那さんの姿が、挨拶しようと思ったその瞬間、旦那さんが頭を下げて挨拶される。

明日こそは旦那さんより自分達が先に挨拶しようとしても何故か毎回旦那さんに先に挨拶されてしまったそうです。

武道の達人のエピソードではなく、そうした心得のない単なる町の大地主の旦那さんのエピソードです。その旦那さんは町中の人の尊敬を集める人格者だったそうで、なるほどというところです。

礼儀は礼法、所作の先にあるということです。

なお最近一部の世界で広まっていると聞く謎マナーの先にはそうした道は開いていないと感じますので、ご注意を。

雑記

Posted by koma-hiro