力を出すということ
今日の合気道の稽古では技の稽古をほとんどせず「力を出す」「力を抜く」「呼吸を通す」ということを腕を掴む、掴まれることを通して体感、体現するという原理を稽古しました。
「腕を掴め」「もっと強く掴め」「もっと力を出せ」ということを言われたことは多々ありますが、それが意味することが分からないままに稽古している人は多いと感じます。
かつては自分もそうでしたが、最近になってかなり解析できてきたので会員さんに共有してみましたが、きちんと体感させ、手順を踏んで稽古していけば小学生でも体現できます。
システマでのテンションコントロールとインターナルの初歩の内容に近い感じ、合気道では固い技での取り方の部分を抜き出した感じで、概ね次のような手順です。
①自分の芯に力を通す
②自分の体の芯の力で掴む
③相手の体の芯を掴む
④掴まれた自分の芯を呼吸で抜く
⑤相手との関係性を保ちながら芯を抜く
⑤まで成立すると相手と対立しない崩しが可能になります。
これは治療の分野では「触れる」ということを学ぶ基礎になります。
まずしっかり自分の力を出す、抜くということを学び、次いで力が相手に作用する関係性を学ぶ。相手との関係性の中で自分のコントロールができて初めて触れることができます。
日常生活ではどうか?
これはコミュニケーションの基礎です。
掴む、掴まれるの中で、触れているが逃げているとか、相手を認識できている、できていないとか、自分の情報、相手の情報のやり取りが無数にあります。言葉や理屈を並べ立てても誤魔化せない関係性がそこにはあります。
人によってはこれを辛い作業と感じるかもしれないですが、この稽古では自分自身と向き合う、相手を通して自分と向き合う、向き合っている自分を観察するという3つの要素があり、いわゆる自己研鑽と呼ばれるものには欠かせない要素が盛り沢山です。
武道を学ぶ価値というのはこういう稽古を通じて自分自身を育てる部分にこそありますが、同時にそれ以外の要素(戦い方や競技としての強さ)で評価されることも多く、こうしたエッセンスの部分だけを学ぶのは中々ハードルが高いものです。
そんなわけでこうした自己研鑽のエッセンスをお伝えするワークショップを開催しています。興味のある方は是非。
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